なぜ瞑想で精神が安定するのか?
このページでは、本サイトで紹介している瞑想法で精神が安定する科学的根拠について解説します。
瞑想で鍛える2つの能力
「正しい瞑想のやり方」のページで解説したとおり、瞑想中は、次の2つのことを行います。
- 深く穏やかな呼吸を続ける
- 苦痛を観察する
これは、次の2つの能力を鍛えることを目的としています。
- 呼吸をコントロールする能力
- 苦痛を正確に認識する能力
なぜこの2つの能力を鍛えると精神が安定するのでしょうか?
それは、「これらの能力が足りないとどうなるのか?」を考えると、わかりやすいです。
1. 呼吸をコントロールする能力が足りない場合
人間は、苦痛を感じると、呼吸量が低下しやすくなります。
悩みを抱えているときに、ため息が出るのは、その典型例です。
しかし、この性質が強く働くと、以下のように、小さな苦痛が大きな苦痛を招くという悪循環に陥ります。
- 苦痛を感じる。
- 呼吸量が低下する。
- 脳に必要な酸素が不足し、思考力や判断力が低下する。
- 身の回りの問題を合理的に解決できなくなる。
- 身の回りの問題が深刻化し、さらに大きな苦痛を招くという悪循環に陥る。
2. 苦痛を正確に認識する能力が足りない場合
人間は、苦痛から逃れたいという欲求に従って、苦痛が伴う情報を意識から遠ざけようとします。
例えば、見たくないものから目を背ける、聞きたくないことに耳をふさぐ、などです。
しかし、この性質が強く働くと、以下のように、小さな苦痛が大きな苦痛を招くという悪循環に陥ります。
- 苦痛を感じる。
- 苦痛から逃れたいという欲求が生じる。
- 苦痛が伴う情報を意識から遮断しようとする。
- 脳が本来認知すべき情報を認知できない状態となり、思考力や判断力が低下する。
- 身の回りの問題を合理的に解決できなくなる。
- 身の回りの問題が深刻化し、さらに大きな苦痛を招くという悪循環に陥る。
まとめ
このような悪循環は、程度の差こそあれ、誰にでも日常的に起こっています。
瞑想によって、苦痛を感じても呼吸を乱すことなく、苦痛の原因を正確に把握できるようになれば、これらの悪循環を回避できるようになり、精神が安定していきます。