なぜ瞑想で頭がよくなるのか?

瞑想は、一見すると座ってじっとしているだけなのに、なぜ頭がよくなるのでしょうか?
瞑想で頭がよくなるのは、人間の脳が生まれつき持っている欠点が瞑想によって改善されるからです。
人間の脳は、高度な知性を持っているように見えますが、生まれたままの状態では大きな欠点があります。
その欠点を改善するためのトレーニングが瞑想なのです。
以下、そのしくみを解説します。

人間の脳のしくみ

人間の脳には、苦痛と快楽を感じるという性質があります。
何に対して苦痛や快楽を感じるかについては、生まれつきある程度は決まっており、成長に伴って変化する場合もあります。
また、人間の脳には、苦痛を拒み、快楽を求める、という性質があり、これを欲求といいます。
このような苦痛、快楽、欲求という人間の脳のしくみは、人間が生きていくうえで必要なものです。
しかし、これが大きな問題を引き起こす場合があります。

人間の脳が引き起こす問題

人間は、苦痛を脳で感じているため、脳が正常に働かなくなれば、感覚が鈍くなることで苦痛を感じる程度が軽くなることがあります。
つまり、脳で次のような現象が起こります。

  1. 脳が苦痛を感じる
  2. 脳が苦痛を遠ざけようとして自ら正常に働くことをやめる
  3. 脳が感じる苦痛の程度が軽くなる
  4. 脳が苦痛を遠ざけることができたと認識し記憶する
  5. 上記1~4を繰り返す

このような現象が起こると、人間は、苦痛を感じたときに、その苦痛を遠ざけようとして脳が正常に働かなくなる結果、その場の状況に応じた合理的な判断や行動ができなくなってしまいます。
例えば、身の危険を感じたとき、本来であれば安全な場所に逃げるべき状況であっても、人によっては、恐怖のあまり足がすくんで動けなくなったり気絶してしまったりすることがあります。

このような脳の不合理な反応については、まだ適切な医学的用語はないようですが、本サイトでは脳の自発的機能不全と呼びます。
脳の自発的機能不全が発生すると、苦痛を遠ざけるという欲求は一時的には満たされるかもしれませんが、結果として、より大きな苦痛を生むという悪循環になりかねません。
先程の例だと、身の危険が迫っているときに、恐怖のあまり足がすくんで動けなくなったり気絶したりした場合には、結果として、より危険な目に遭うであろうことは容易に想像できるでしょう。

脳の自発的機能不全は、脳が生まれつき持っているしくみから起こるものなので、上記の例に限らず、多くの人間に日常的に発生しており、時に深刻な問題を引き起こします。
例えば、人間関係の不和、浪費による生活の破綻、病気、自殺、犯罪など、人間の病理現象の多くが脳の自発的機能不全によって引き起こされていると考えられます。
したがって、脳の自発的機能不全を改善する方法があれば、それによって人々が抱えている多くの問題を解決できる可能性があります。

人間の脳の欠点を改善する方法

しかし、人間の脳が生まれつき持っている欠点を改善する方法があるのでしょうか?
これは一見難しい問題のように思えますが、その解決法はとてもシンプルです。
脳の自発的機能不全は、本人がそれをよく知ろうとすることで改善できます。
つまり、人間は、自分がどのような苦痛や快楽を感じているか、自分にどのような欲求が生じているか、を意識しようとすることで、これらに対して適切に対処できるようになっていくということです。
本サイトで紹介している瞑想法は、そのためのトレーニングなのです。

このように、瞑想で頭がよくなるのは、人間の知能を低下させる原因、すなわち脳の自発的機能不全という現象が、瞑想によって改善されるからです。

瞑想時の呼吸が重要である理由

ところで、瞑想時の呼吸が重要であることは、「正しい瞑想のやり方」で解説しましたが、それはなぜでしょうか?

それは呼吸が脳の働きと密接に関連しているからです。
呼吸は、苦痛や快楽、すなわち感情と直結しています。
ご自身の喜怒哀楽とその際の呼吸を思い浮かべてみてください。
それぞれの感情に応じて呼吸のリズムが違うはずです。

人間は、心が乱れると呼吸が乱れやすくなり、呼吸が乱れると心も乱れやすくなります。
つまり、脳の自発的機能不全が発生すると、それによって呼吸が乱れ、その呼吸の乱れがさらに脳の自発的機能不全を悪化させる、という悪循環が発生する可能性があります。
ゆえに、瞑想をするときは、呼吸が乱れないよう常に意識する必要があるのです。

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