『煩悩』の本来の意味

このページでは、『煩悩』という言葉の本来の意味について、心理学・精神医学の視点から解説します。

『煩悩』とは?

煩悩とは、思考力や判断力の低下によって生じる様々な病理的な思考や行動のことをいいます。
全ての欲求が煩悩というわけではありませんが、快楽を貪るような過剰な欲求は、煩悩の典型例です。
仏教の経典には、煩悩の典型例として、以下の三つがよく出てきますが、これらを三毒といいます。

  1. 貪欲とんよく:欲に目がくらむ
  2. 瞋恚しんに:怒りに我を忘れる
  3. 愚痴ぐち:意識がぼんやりする

煩悩の本質

人間なら誰しも苦痛から逃れたいという欲求を持っていますが、常に合理的な方法で苦痛の原因を取り除くわけではありません。
多くの場合、自分で自分の認知能力を抑圧する、いわば「心に蓋をする」ことで、苦痛を意識から遮断しようとします。
しかし、このような方法で苦痛から逃れようとすると、脳が必要な情報を正しく処理できなくなるため、思考力や判断力が低下します。
その結果、苦痛の原因に合理的に対応できなくなり、より多くの苦痛を抱え込む結果となります。
これが煩悩の本質です。

煩悩が生み出す悪循環

煩悩は、以下のようなプロセスで発生し、小さな苦痛が大きな苦痛を招くという悪循環を生み出します。

  1. 苦痛を感じる。
  2. 苦痛から逃れたいという欲求が生じる。
  3. 苦痛が伴う情報を意識から遮断しようとする。
  4. 脳が本来認知すべき情報を認知できない状態となり、思考力や判断力が低下する。
  5. 身の回りの問題を合理的に解決できなくなる。
  6. 身の回りの問題が深刻化し、さらに大きな苦痛を招くという悪循環に陥る。

煩悩を取り除く瞑想法

どうすれば煩悩を取り除けるのでしょうか?
前述のとおり、煩悩は、苦痛を意識から遮断しようとして発生します。
したがって、それとは逆に、苦痛から目を背けずに、そのありのままを意識して観察することで、煩悩を取り除けます。
つまり、煩悩を取り除くには、「自分が今どのような苦痛を感じているのか」を観察する瞑想法(ペインスキャン瞑想)を実践すればよいのです。
詳しくは、「ペインスキャン瞑想のやり方」のページをご覧ください。

ペインスキャン瞑想の特徴

ペインスキャン瞑想には、以下のような特徴があります。

  • 初心者でも自宅ですぐに実践できること
  • 瞑想中だけでなく、日常生活も快適に過ごせるようになること
  • 瞑想で精神が安定するしくみまで理解できること

詳しくは、「ペインスキャン瞑想のやり方」のページをご覧ください。

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